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2018.01.05
増える高齢者、大切な口の健康
日本は、世界的に最も早いスピードで、超高齢化社会を迎えているそうです。そして、歯科疾患実態調査によると、すべての年齢において保有している歯数が増加しているのです。
1989年から実施された『8020運動』の成果であり、歯科医院が増えたことで歯科に通いやすくなった、長期的な管理の必要性を認め『定期健診という受診』を求められるようになったということの結果です。そして、歯周病が全身に及ぼす影響が理解されるようになってきたのです。それらのことが理由で、セルフメインテナンスとプロフェッショナルメインテナンスを継続してくれているからなのです。
健康を守るために、歯周病むし歯問題を考えることは大切なことなのです。
口の健康が守られていると、
①人生と大きくかかわっている食事を楽しむことができます
②医科医療費が抑えられます
③認知症の発症リスクが抑えられます
④免疫力の低下した高齢者の方に多い誤えん性肺炎の予防になります
⑤命にかかわる心疾患、血液疾患など全身疾患の予防になります
インフルエンザの予防にも、口腔ケアが入っていることを考えると、口の重要性を改めて考えさせられます。
命の入り口、健康の入り口との理解がもっともっと深まればいいなあと思う毎日です。 -
2017.12.23
歯みがきしない?!
①フッ素利用で歯の質の強化
②ブラッシングなどでむし歯菌の減少
③甘い物のコントロール
これらのことと
④時間との関連
を考えてむし歯ができにくい生活習慣を確立すること。これが私たちの考えるむし歯予防です。全てのことを完璧にするのではなく、それぞれのことでできる範囲でやっていくことが大切なのです。
でも、先日 ”歯科医同士の夫婦の実験。4人の子どもに歯を磨かせなかった話”という本に興味を持ち読んでみました。
世界のいくつかの地域に住む伝統食を食べ続けている先住民族の『健康な歯』『大きなあご』を知り、夫婦で決意した実験だそうです。
子ども4人に歯みがきすることをやめ、毎日伝統食を食べることを決めたそうです。
この先生の決めた伝統食とは、ごはん、みそ汁、漬物を中心とし季節の野菜や魚介類を摂るという和食でした。飲み物は、水かお茶。砂糖、油は調理の過程でも控えめにして、おやつはメリハリをつけて与えたそうです。
そして、何を食べるか以上に「どう食べるか」を確立し、決められた食事時間とおやつ時間にしか食べ物を口にさせなかったそうです。
このルールを守り続けて、12歳まで歯みがきをしない生活で4人の子どもたちは、むし歯が1本もできなかったそうです。
「何を食べるか」と「どう食べるか」を理解してもらうことが不可欠とまとめられています。
この本の筆者の先生は、歯科医だからこそ大きな決断による実験ができたのだと思います。私は、むし歯が生活習慣病である証明事例をいただけました。
私たちが、ここまで徹底した習慣を貫くことはあまりにも難しいことだと思います。
むし歯予防をするいくつかの方法を知り、取り入れられることを選んで、選んだら実行することが大切だと考えます。
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2017.12.09
磨き残し対策にタフトブラシ
お口の中のケアは、歯を磨くことじゃなく、いかに口の中の細菌を減らせるかということが大切です。
より確実に細かいところまで、清掃道具を届かせることが必要なのです。優れた清掃性を持った『ワンタフトブラシ』がおすすめです。
タフトとは、”束 房”という意味です。ワンタフトブラシを、一本ブラシと表現する方も多いです。目的の場所に確実に毛先を届かせることができます。
プラークが残りがちなところにも、ピンポイントできれいにすることができる歯ブラシです。みがき癖がわかりやすい歯垢染色液を使うと、より的確に苦手なところがわかります。
・歯の根元
・歯と歯の間
・歯の周りのポケットの中
・冠などのかぶせものの根元と歯の境目
・プラスチックの詰め物の周囲
・歯ならびが悪いところ
・歯が混みあっているところ
・訳あって一本だけ孤立している歯
・一番奥の歯の奥側
・中途半端に萌えている親知らずや第一大臼歯、第二大臼歯
・歯肉が下がって見えてきた歯の根の股の部分
・歯周病が進んでガバガバした深いポケットの中
・矯正中のブラケットの周り
こうして言葉にすると、ブラッシングが難しいところのほとんどをカバーできる訳です。
何度もクリーニングを受けてくれている方が、急に磨き残しが減り、細菌のコントロールが上手になったというときのきっかけが『ワンタフトブラシ』の使用の開始だという方もいらっしゃいます。
細かい動きが得意という方におすすめです。
ねらいを定めた確実な清掃が、きれいにする効率をアップし、ブラッシングタイムの短縮にもなりますよ。
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2017.11.25
歯が作られる時期
学生の頃、生物の授業で体内の受精卵は分裂しながら形を変えて成長していくと習いました。
その見た目の変化が、今から何億年も前の進化によく似ていると話してくれたことに興味を覚えました。
体内で育つ胎児は、球 魚 両生類 は虫類 鳥類 哺乳類と進化していくように見えるのです。
歯のでき始めは、胎生6週頃と言われています。
まだ、妊娠に気づいていないかもしれない”魚のような胎児”の口の中に、歯の芽はできているのです。
しっかり噛む機能と力を兼ね添えた永久歯が出来上がる前に、乳歯は食事、発音、骨の成長発育、後に萌える永久歯の誘導のために大切な役割があります。
実際萌えてくる時期がいろいろですが、乳歯と大半の永久歯のもとが完成するのは妊娠中です。おなかの赤ちゃんの歯を丈夫にするための栄養を心がけましょう。
歯のもとの基礎作りには、肉魚などのたんぱく質が大切です。
歯のもとができたら、徐々に硬い組織が作られていきます。
ミネラルを意識して摂るといいでしょう。
妊娠したら、カルシウムをたくさん摂りましょうと言われるのは、歯や骨の硬い組織を作るのに大切だからです。
カルシウムの吸収には、海藻に多く含まれるマグネシウム、肉魚に多く含まれるリン、それからビタミンDも必須です。
他に、ビタミン類、葉酸も相互に作用しながら体内に取り込まれる大切なミネラルです。
歯の完成のためには、ミネラルを意識したバランスの良い栄養をとるということに尽きます。
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2017.11.11
自分の歯の写真
自分の歯を客観的に見たことはありますか?
当院では、口の中の写真を撮ることがあります。大人も子どもも撮った写真に興味津々で、モニターに映し出された自分の写真を眺めます。子どもは、自分の歯の写真を見ると大喜びします。
大人の感想は・・・。
意外だったのですが、誰一人として ”きれい” ”素敵” ”美しい” などのポジティブな感想を言わないということです。長く定期健診に通っている人でさえです。来院して間もない方も、自分の歯や口の中を残念に思う方が多く正直驚いています。[一生付き合っていく大切な歯に関心が高いこと、望みが高いことを改めて思うのです。
数年前の雑誌の特集に、シニア1000人にリタイア前にやっておくべきだったことについてアンケートをとった結果が載っていました。
その健康部門の「後悔トップ20」
『第3位』日頃からよく歩けばよかった
『第2位』スポーツなどで体を鍛えればよかった
『第1位』歯の定期健診を受ければよかった!!!!!!
年を重ねるに従って、歯がとても大切だと理解されるようになったということだと思います。もしかしたら、歯を失って痛感されているのかもしれません。
従来は、歯科へ通院するきっかけは 痛いとか噛めないなどの困った時が大半でした。今では、定期健診という言葉が市民権を得たのでしょう。
健康を保つため、健康の質を上げるために定期的に来院される方が増えました。
先輩方の経験を活かし、健康の入り口である口や歯の定期的なケアを心がけたいものです。
ドクタープロフィール
原歯科医院 院長
原 英次
詳細はこちら
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