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2018.05.26
血液はごちそう?!
私たちの体には、たくさんの細菌が住みついています。これは当たり前のことです。そして、この共存関係のバランスが崩れた時に、ヒトの健康が損なわれます。
今回は、歯周病について考えてみましょう。
成人したたいていの人が持つ歯周病菌、お口の中にあることは当たり前なんです。人の免疫力の強さで、悪さができない状況があります。反対に、どんどん歯周病が進むこともあります。
歯周病の症状『はぐきからの出血』
これは、わかりやすく危険な信号です。歯周病菌が数を増やすのに、血の成分が必要なので『はぐきからの出血』は、まさに歯周病菌のごちそうです。
歯周病菌は、歯からはぐきを剥がしながら、住みかを作ります。
歯周病菌は、住みかの内側に炎症を起こします。
歯周病菌は、栄養である血の成分(鉄分)をとりこみ、数を増やします。
すでに、共存関係が崩れ、歯周病菌の病的パワーが勝っています。血の栄養を得た細菌は、今までと比べものにならないほど病的パワーが高くなっています。この歯周病に、自然治癒や薬のみによる治癒はありません。
この歯周病菌との静かな戦いは、歯科医師と歯科衛生士による歯周病基本治療が行われるまで続きます。歯周病治療をしなければ。歯の周りの組織の炎症は歯が抜け落ちるまで続きます。
ご自分チェックしてください。
ハミガキした時、歯間ブラシを使ったとき、フロスを使ったとき、はぐきの根元を押したとき、はぐきから血が出ませんか? -
2018.05.13
つばをつけとく理由
昔の人の知恵の一つで、傷口につばをつけておけば治ると言われたことはありませんか?
なんだか汚く感じますが、これは一理あります。体験として、口の中の傷は治りやすいことを知っています。だ液には、ばい菌が発育しにくい働きがあるのです。つまり、傷ができてもひどくなりにくいばかりか、治りも早くなるのです。さらに、発がん性物質をだ液につけておくと、発がん作用が低下します。
そしてだ液には、食べ物を包み込み、飲みやすくして、さらに消化を助けるという大切な働きがあります。のどや食道を傷つけずに、食べ物を飲み込むことができるのはは、だ液のおかげです。
だから、口の中にいれた食べ物が十分にだ液に浸るようにするために、『かむ』という動作でだ液の分泌を促すことが大切です。食事を水で流し込んだりするのは、このだ液の分泌を十分にさせない悪い習慣です。
消化の妨げになってしまいます。
だ液は、あごや舌が動くことでたくさん出るので、よく噛むということを日々の習慣で心がけてほしいものです。そして、だ液はむし歯を作らせないための力を持っています。砂糖を栄養にミュータンス菌が酸を発生させて、歯を溶かします。わずかに溶けてしまった歯を元通りに修復するのがだ液です。はえたてのやわらかい歯に働きかけて、硬く強くするのもだ液です。
口の中をきれいにしてくれるから、歯周病の予防効果も高いだ液です。味を感じたり、口の嫌なにおいを防いだりもしてくれるのもだ液の働きです。日頃からかむことに気をつけていると、唾液腺が大きくなります。口を大きく動かしながらかむことで、自然とかむ回数が増えたくさんのだ液が出てきます。 -
2018.04.28
ハブラシの選択
ハブラシの販売コーナーを見ると、たくさんの種類の歯ブラシが並んでいて、それぞれにおすすめの言葉が書かれていて楽しいですよね。
でも、その中の1本を”これでいいか”という感じで決めていませんか??『これが自分に合うものだ、これが自分に必要なものだ』と決めることができたら、その道具は活かされて、お口の中はさらによくなることでしょう。
いくつかのポイントを理解して、選択肢を減らしていくことで自分に合うものを見つけていきましょう。
一番大切なのは、『毛の部分』です。大きさは、基本的に小さめがおすすめです。素材は、ナイロン製か飽和ポリエステル樹脂がおすすめです。かたさは、やわらかめかふつう。形は、フラットタイプ。(山切りカットは使い方が難しいです)毛先の形も重要です。重視してほしい毛先の形ですが、1本1本の毛の先が丸くなっているか、細くなっているかを必ずチェックしてほしいです。
毛先の形の違いは、目的の違いです。むし歯予防がメインなら、毛先は丸くなっているものを選びましょう。歯周病予防がメインになら、毛先が細くなっているものを選びましょう。
そう考えると、お子さんの歯ブラシに毛先が細くなっているものを選ぶ必要はないことがわかってもらえるでしょうか?
あとは、プラークの質や道具との相性、ポイントからちょっと外れたところでご本人の好み。ブラッシングタイムをどのくらいとれるのか。持ち手が持ちやすいかどうか。などなど……命の入り口のお掃除道具のひとつが歯ブラシです。
どんなものを選んで、どんなものを使っていますか?? -
2018.04.14
花粉症ですか??
今年のヒノキの花粉飛散量は、とてもとても多いらしいです。体内に入り込んだ花粉の影響で、目が充血したり、喉が腫れたり、鼻水が流れ出たり、鼻を詰まらせたり、いろいろな症状を引き起こします。
当院のクリーニングでは、できるだけ確実に歯石・プラークを除くために染めだしを行っています。視覚的に、普段のケアのクセもわかります。ブラッシングが苦手なところがわかるのです。
最近、染め出しをすると前歯の表側にたくさんのプラークがついている人が多いです。
なぜだと思いますか??
それは、口があいているために、乾燥したプラークがこびりついているからです。
乾燥した環境で、プラークはとてもとても増えやすいのです。口があいてしまう理由が、鼻にあります。花粉症による鼻づまりが原因なのです。
『〇〇さん、今年の花粉症は鼻に症状出ていますね。』
『なんでわかるんですか?』
お口の乾燥によって、プラークが激増することをあらためてわかります。乾燥は、細菌を増やすことを改めて実感できる季節です。
寝ている時、お口あいていませんか?乾燥はプラークを増やします。寝ている時に、乾燥させないようにするだけで起床時のねばつきやニオイがかわります。
健康に「乾燥はいりません」と覚えてください。 -
2018.04.02
仕上げみがきを嫌がる理由
子どもが、『何をされるのか・なぜ仕上げみがきをされるのか。わからないので怖い』という感情を持っていることがあるということを理解しましょう。
むし歯にさせたくないので、子どもの歯みがきをしてやりたいのは親である自分であることを十分に理解しましょう。(子ども自身に、もともと歯みがきをして欲しいという思いはないということです)
生まれて数か月しかたってない我が子に、ブラッシングの必要性を教えるのは保護者です。子どもが、怖いと思って泣いたり暴れたりする場合でも、根気強く教え続けることが大切です。
だから、親がリラックスできる時間にみがいてあげることが、すごく大切だと思います。『仕上げ磨きは、一日に一回でいいです!』言葉で伝えて、楽しく歯みがきすることが習慣につながりやすいです。仕上げみがきが、痛くない怖くないと分かってくれれば上手にさせてくれるでしょう。
歯をみがかれることに慣れていないという点では、呼吸が関係する場合もあります。
ご自分が歯の検診を受ける場合を考えてみてください。
先生が「口を開けてください」と言うと、息を大きく吸ってから息を止めて口を開けませんか??そして、苦しくなったら、鼻で呼吸して口を開け続けませんか??
幼い子どもは、この呼吸のコントロールができない場合が多いのです。ハブラシを口に近づけて、これからハブラシが口の中に入ってきますよ。と子ども自身がわかる時間をとるようにすると、呼吸のコントロールの練習になります。
そしてその後は、”時間短く的確に” 仕上げみがきを終わらせます。
試してみてください。
ドクタープロフィール
原歯科医院 院長
原 英次
詳細はこちら
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