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2018.03.17
子どもは歯みがきを嫌がります!
嫌がる子どもを押さえつけてやっています。というお母さんもいれば、押さえつけてまでやりたくないので、磨けてません。というお母さんもいます。
1.2才は歯みがきを嫌がる年齢です。ただ、嫌がらずお母さんの膝の上で、大きなお口を開けてくれる子もいます。
歯みがきをしてあげる大人の気持ちを考えたことありますか??
歯みがきをしてあげるのは、むし歯予防のために大切なのは承知のことだと思います。また、保護者と子どもと心を通わせながら、習慣づけるという一面も持っています。
号泣する子どもを押さえつけて、大人が満足できる時間をかけて、しっかりとブラッシングすることはむし歯予防の面から100点です。でも、この状況を客観的に見たとしたらどう感じますか?
我が子に、責任を持って厳しく接するのは親として当然です。この厳しさは、習慣化につながるものでしょうか?明日のブラッシングに積極的になれるものでしょうか?
子どもの仕上げみがきという日常の習慣について、ぜひご夫婦でも話してみてください。お母さんの仕上げは嫌がるけど、お父さんの仕上げは好きというお子さんが何人かいます。これは、ブラッシング方法、きれいにするレベル、泣いたらどうするか、嫌がる子どもの気持ちをどこまで許すか・・・などのことを共有すると、その差はなくなるかもしれません。
『仕上げみがき』を、むし歯予防の観点からだけでなく、心理的成長を願う我慢の訓練、そして達成した喜びと褒めることを与えられるものとしてどのように取り組んでいくのか。この機会に考えてみませんか?? -
2018.03.03
いちど吸うと止められない。。
楽しいことを考えると、私たちの脳の中では『快楽物質ドーパミン』があふれだし、ますますハッピーな気分になります。一方、タバコに含まれる植物由来のニコチンは、ドーパミンを強制的に分泌させます。タバコを吸えば、ハッピーになりそうな話ですが…タバコを吸うたびに分泌され続けると、やがて脳はさぼりだし『ドーパミン』を作り出さなくなります。
実際に嬉しい出来事が起きても、楽しさとして味わいにくくなってくるのです。
さらに、タバコを吸うとある脳波が出ます。ニコチンが体内に入って数秒でリラックス効果の高い『アルファ波』が増えます。増えた『アルファ波』は数十分もすれば減っていくので、またタバコを吸いたくなります。タバコはイライラ・ストレスをごまかすことができるのです。タバコを吸い続けると、ドーパミンもアルファ波も自分の力でだすことが難しくなるのです。
そして、お口の中への影響も少しお伝えします。
ニコチンによって、だ液の量や性質が変わりむし歯になりやすくなり、歯周病が悪化しやすくなります。血管を縮める作用があるので、血液の循環が悪くなります。歯肉を守る白血球を補給する血管が口の中の炎症に届きにくくなり、歯周病が進みやすくなります。だ液量が減ることで、口の中が乾燥して、歯垢も乾燥して、歯にこびりつき歯石になります。
さらに、ご家族が吸っていると、吸っていない人にも影響が出てきます。まだまだ幼いお子さんの歯ぐきが、タバコの影響で黒ずんでいるのを見かけることがあります。もちろん、タバコを吸っているご本人も歯ぐきが黒ずんでいきます。
タバコ、やめづらいですね。タバコ、吸い続けますか?? -
2018.02.17
歯周病、治りましたか??
定期的に健診を受け続けて、プロのクリーニングを受けてくれている方に聞かれることがあります。
『私の歯周病、治りましたか??』歯周病は完治するのかというと、答えはNOです。歯周病治療によって、歯周病菌が減ってくると歯肉やその周りの組織の状態は改善してきます。それはとても大切なことで、目に見えて良くなった証拠です。でも、歯周病菌と歯周組織が安定した共生環境を保っているだけであることも理解していただきたいと思います。
常在菌である歯周病菌を、口の中から完全に排除することはできないのです。この歯周病菌は、べたべたと強固に歯にくっつくバイオフィルムという菌の集合体の一部となり常に再発を狙っています。つまり、歯周病菌が常在菌であるがゆえに完治はないということです。
バイオフィルムは、接着性が高く、粘着性にも富んだ物質です。歯の表面で、大きなカバーで守られている状態で歯周病菌は増殖するのです。しっかりと歯にくっつき、べたべたとしたものは外からの攻撃に対してびくともしなくなるのです。もちろん、消毒殺菌液も侵入できません。だから、定期的に歯科衛生士によるバイオフィルムの除去が、歯周病を進めないために必要なのです。
口の中の症状が落ち着いていても、歯周病の再発はよくあることなのです。歯周組織と歯周病菌が、ともに存在していて安定していること、つまり口の中の均衡状態を守るのが定期健診、プロのクリーニングなのです。
完治はしなくても、進まないで安定を保つことで、お口の健康を感じることができるはずです。
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2018.02.03
歯はかたいの? やわらかいの?
私たちは、肉・魚・野菜などいろいろな食べ物を口からとって生きています。なんでも食べられるように、丈夫でいろんな形の歯を口の中に持っているからできることです。歯の表面のエナメル質という白い色をした組織は、体の中で最も硬い組織です。この硬いエナメル質が溶けてしまうのがむし歯です。むし歯菌の働きは、かなりのものです。
乳歯のむし歯の好発部位は、一番見やすい『上の前歯のど真ん中』です。2歳になるころから要チェック箇所です。そして、3歳頃にむし歯になりやすいところは、『乳臼歯の溝と間』です。就園前後で大きく生活環境が変わる時期であり、離乳食が完了し、幅広い食への興味が増すときであると同時に、おやつとして甘い食べ物を覚える時期でもあるからです。
でも実は・・・歯には”むし歯になりやすい時期”があるのを、ご存知ですか?永久歯=大人の歯のことを考えると、小学生の時期が特にむし歯になりやすいのです。はえたばかりの歯、はえたばかりの永久歯はとてもやわらかい状態です。まだ十分に硬くなっていないということです。
歯は、はえてから3年ほどの時間をかけて硬くなるのです。骨の中にあるときは、血液のミネラルによって硬くなり、歯がはえてからは、だ液の中のミネラルがくっついてもっと硬くなります。さらに、フッ化物を使うことによって効果的に硬くなるのです。
あらためて、歯がはえてから3年の間がむし歯予防の大切な時期ということです。
(注意)歯によって、はえる時期は異なりますのであしからず。
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2018.01.19
むし歯菌の感染
歯のない赤ちゃんは、ミュータンス菌を持っていません。歯に住みつくミュータンス菌ですから、歯があってこそ存在できるのです。生まれて数か月も経つと、下の前歯がはえてくることがほとんどです。ミュータンス菌は、たいていの場合、ご家族やほかの養育者からの感染です。
赤ちゃんの口の中に入ったミュータンス菌が、口の中に定着し、やがてプラークを形成し、むし歯を作る原因になってしまいます。だから、家族からの感染を防ぐために”使っている食器や箸などを共有しない” ”口の中で細かくしてから食べさせることをしない”などのことが考えられます。だけど、赤ちゃんにとってお母さんやお父さんが食べているものこそが、『美味しそうなもの』『安心』『安全』なものなのです。
もし身を乗り出してまで欲しがるのであれば、ぜひその気持ちを満たしてあげてほしいと思います。子どもにとって、美味しさは信号ではなく『感情』なのです。一緒に食べる喜びも、美味しさを引き立てるものだと思います。食事は、楽しく成長を感じる場所にしましょう。
ブラッシングや食習慣が適切であれば、
・食具は使い分けなくてもいい
・母子感染によってむし歯になるとは限らない
・子どもとのスキンシップを控える必要がない
・食品を冷やすために息を吹きかけてもいい
子どもの口の健康のために、お父さんお母さんの口の健康を保っていただければ問題ないのです。
ドクタープロフィール
原歯科医院 院長
原 英次
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